僕の女子転生日記

そこそこの美人で中身バリバリ男子な僕の世渡り日記

新しい名前

トランスジェンダーだと友達に言うと、どんなことを聞かれると思いますか?

定番は、女性と男性とどちらが恋愛対象なのかということ。僕は多分、自分よりも男性的な男性とお付き合いしたいです。さりげにハードルが高めなことは認識しています。

予想外だったのは、名前は変えるのかということ。彩りと書いて「あや」という名前は気に入っているので変える予定はありませんが、はてなブログは音読みの「SAI」というニックネームにしてみました。

「サイ」という名前でまず思い出すのは高校の数学の先生です。先生は引き出しに鉛筆や定規を全て水平か直角に入れていらっしゃって、フリーハンドで完璧な円を黒板に描かれる神技を生徒は楽しみにしていました。そんな先生に、何故か初対面で「サイ」というあだ名を頂戴しました。後にも先にも僕のことを「サイ」と呼ぶのはこの人だけで、どうしてそうなるのか意味不明なものの、非常に可愛がってくださっているということは伝わってきました。

数学の問題が解けない時に教室で聞くのは恥ずかしいので、こっそり教員室に行っていました。とても分かりやすく教えてくださるのですが、その前に常にワンステップあったことを思い出します。じっと僕の顔を見て、「サイ、この問題が分からなかったのか?」と聞かれ、最低限でも頷かないと解説はしてもらえません。

最近になって、先生が伝えようとしていらっしゃったことが分かった気がしました。その頃の僕は全国模試が5位以内の完璧主義者で、自分ができないということに対する許容度が非常に低かったように思います。そんな中で、「分からなくてもいいんだよ。」ということを間接的に伝えようとしてくださったのではないかと。

そんな先生のくださった異名が、あの頃の私と今このブログを書いている僕をつないでいる。心強い気持ちになります。中田先生、本当にありがとうございました。相変わらず僕は引き出しの中はぐちゃぐちゃですが、心は昔よりもすっきり元気にやっています。